と、眠っているうち

 捕虜収容所に着いたが、シベリアはとにかく寒い。
 収容所の建物は雑な作りで、夜になると、まともに眠れないほど寒い。
 だから、何人かで固まって、抱き合うようにして寝た。
 そうでもしないと、眠っているうちに凍え死ぬ比堅尼脫毛
 実際に、はじめのうちは、何人か死んだ。
 女の人と抱き合って寝るわけにもいかないので、
 ソ連軍にばれないように、女の人たちだけは、纏めて一緒にした。

 何度も言うが、とにかく寒いんだ。
 どれくらい寒いかというと、そうだなあ。
 小便が、出した側から凍る。

 建物の中に便所が無かった。
 だから、外に穴を掘って板を渡して使った。
 穴は大きく、板はそれなりに長かったから、何人か並んで用を足せる水原共生

 面白いもので、だいたい用を足す場所が決まってくる。
 小便はすぐに凍るから、穴の中に逆さ氷柱(つらら)が出来るんだが、
 穴が大きいにも関わらず、
 逆さ氷柱は、それぞれのお気に入りの場所に、偏って出来るんだ。

 穴がいっぱいになれば、埋めて、新しく掘る。
 いつも、だいたい同じようになる。

 生徒たちが微妙な顔になったところで、終業の鐘が鳴った手臂 粒粒